私はこの数年、ニューヨークマラソンの応援に行っている。
今までは、テレビの実況をチラッと見て、誰が一番になり、賞金が幾らで、最後のゴールをした人のストーリーを、「ご苦労様」と思いながら、スクリーンを通して見ていた。
昨年もこの日は日曜だというのに、地下鉄は応援する人の名前を書いた大きなカードを持った人たちで賑わっていた。
以前は私も声援を送っていたが、応援に来た人たちの声が保たず、静まり返ってただランナーたちを見ている時がある。
そして走り去るランナーに「もっと騒いで応援しろ!」とばかりに身振り手振りで要求される。
3時間以上走り続けているランナーの方が断然元気だ。
今回私は大きな牛を呼ぶベルを鳴らしながら、日本とアメリカの国旗を振って応援した。
この日はそれぞれが自分に課したゴールへの挑戦の結果を知る時である。
今回10回目の挑戦をした祐子さんは、数年前、抗がん剤治療のためのポートを胸に付けたまま、ミツバチの縞々のアウターを着て、頭には触角のカチューシャを付け、私の前を飛んで行った。
それからも走る事で毎年自分への挑戦をして来た彼女は、今回はいつもの年より30分程早く私の前を通過、一緒に待ち合わせをしていた友人は、祐子さんの応援に間に合わなかった。
彼女のゼッケンには「Run for YOKO」と書いてある。
これは同じ病気を同じ時期に乗り越えた仲間のがん転移を知ってのことだ。
自分以外の人を思いながら走れる、余裕とも思えるこの行動は、羨ましくも心が熱くなる。
病と闘う人の辛さと自分の走る辛さを重ねて完走した後は、「スピードを落とさずに完走できました」とあっさり言い切り、媚びない。
他にも、義足をつけた人、車椅子を押す人、盲目の人とそのサポーターと、参加する人は様々である。
このアーキタイプを私は持ち備えていない… だから私は、このエネルギーを感じるために、一年に一回くらいは応援に繰り出そうと思っている。
アーキタイプの中に「Athlete/スポーツマン」がある。
これはどれだけ早く、長く走れるかとかの体力を競うだけでなく、自分に課した約束をどこまで守り切れるかと言った、根本的精神力を示すものである。
勝ち負けで力を判断をするれば、負けることは弱さになり、弱いことが恥と思えば、ズルをしてでも「勝利」と言う形を得る。
そしてそんな人を私たちは「スポーツマンシップに欠ける」と言うわけだ。
人のやりたくない事を率先して引き受けてくれる人に ”You are Sports” と声を掛ける。
スポーツマンは挑戦する人を指す代名詞にもなっている。
現代の問題は、メディアが優れたアスリートに多額の報酬を支払い、ヒーロー扱いをする。
ヒーローのアーキタイプとAthlete/スポーツマンのアーキタイプは全く異なるもので、ヒーロー扱いに慣れてしまったAthlete/スポーツマンが、現役から離れた時に自分を見失うところはその迷いにある。
また、周りから作り上げられた、慣れない自分のキャラに悪戦苦闘をする人もいるはずだ。
何事も決めた事をやり遂げることがどれだけ難しいことかは、誰もが経験する。
新年の抱負から始まり、減量やら勉強やらと、思いつくところは沢山ある。
そして脱落するたびに、私たちは都合の良い言葉を選び、言い訳の上手い人間になって行く。
Athlete/スポーツマンは、単純にどんなに小さな挑戦にでも、それを日常のルティーンとして守り、自分自身の「言い訳」と言う誘惑に毎日勝ち続ける。
これが本当の「Athlete/スポーツマン」なのだ。
五体満足で無くても、才能を持ち合わせていなくても、「Athlete/スポーツマン」のアーキタイプを持ち合わせて生まれて来たならば、それは何らかの形で自分の人生の中に、粘り強さとして現れる。
アーキタイプ:Athlete/スポーツマン
身体力で根本的精神力を象徴し、障害者も含め身体の限界の超越に挑む。
プロとしてのスキルよりも精神力とやる気に注目する。
陽の特質=個人の体力と精神力の発達を促す。
強い倫理と道徳心を備える。
粘り強く、ルティーンをこなす。
陰の特質=運動能力を利己的に誤用する。
スポーツマンとしての誇りを持たず卑怯なプレーをする。
*スポーツだけに留まらず決めたことに対し、耐久力と精神力を高めるために専念してきたかを確認してみよう。
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