誰もが12のアーキタイプを持って生活をしています。そしてそれぞれのアーキタイプには陰と陽の特質があり、幸せをもたらしたり問題を起こしたりします。
キャロライン・メイスは彼女の著書「Sacred Contract/第８のチャクラ」の中で、人間は誰もが持つ４つのアーキタイプを使い分けて、毎日生活をしていると言っています。そして彼女はこれをサバイバルアーキタイプと呼んでいます。
これまで、子供、被害者、妨害者のアーキタイプをご紹介しましたので、今回は最後のご紹介となるサバイバルアーキタイプの中の、娼婦のアーキタイプをご紹介します。
アーキタイプはその特質を象徴する名前が付けられていますが、「娼婦」ほどドキッとする名前はないのではと思います。
「娼婦」と聞いた時に誰もが想像することは、お金と引き換えに性交渉を持つ人のことを思い浮かべるでしょう。
サバイバルアーキタイプは誰もが持つものですが、自分には娼婦のアーキタイプは持っていないと否定する方もいるかもしれません。
しかし、キャロライン・メイスが「娼婦ほど綺麗な商売はない」と言ったことに、私は「なるほど〜」と思ったほどです。
娼婦と聞いただけで、良いイメージは思い浮かばないと思いますが、全てのアーキタイプに陰と陽があるように、娼婦のアーキタイプも例外ではありません。
日常的な交渉と選択の殆どはそれほど意識せずに行われるため、意識的に自分の体を売ることとは違うと思いがちです。
必要とする物や、周りから認めて欲しいと思う感情を満たすために、引き換えに自分は何を相手に差し出しているかに気づくことが大切です。
娼婦のアーキタイプは、自分は何を人生の成功と呼び、何に価値を置いて生活をしているか、また、それで良いのかを冷静に考えさせてくれるのです。
では娼婦のアーキタイプの陰の特質をご説明します。
明らかにお金と引き換えに自分の体を売る行為は陰の特質ですが、無意識に同じようなことを誰もがしています。
生活をする上で、自分が必要とするものをどのように手に入れているか、娼婦が性交渉の引き換えにお金をもらうのと同じように、自分はどのような交渉をして、引き換えに何を得ようとしているかを考えてみてください。
大きな家に住んでブランド品に囲まれ、ソーシャルメディアで多くの支持をもらうことが成功と思う人もいます。
家、車、宝石などの物質の世界では、所持するものが古くなったり壊れたりすれば、その価値はあっと言う間に無くなり、それを修復する余裕のある生活が出来なければ、人生の挫折も早くなります。
その生活スタイルを保つ為には、家庭も自分の健康も犠牲にして仕事をしたり、自分のスキルを大げさに主張することで、気がつけば詐欺と呼ばれる行動に繋がっていたなど、このパターンはニュースでもよく見る光景です。
相手が浮気をしていることを承知しながら、周りから羨ましがられる生活を断ち切れないなども、娼婦のアーキタイプの陰の一例です。
娼婦のアーキタイプの陽の特質は、最終的なゴールが何であるかを言えば、周りとの交渉をすることなく、自分の満足のできる生活を送れることです。
なぜ最終的なゴールかと言うと、自分自身の価値を認められる様になるまでには、陰の特質に惑わされた経験を積み重ね、気付きを得る必要があります。
気付きを得た後に、周りにほんろうされない人生を歩む様になるまでには、時間がかかると言うことです。
私たちは日常の沢山の出会いや出来事の中で、ささいな交渉を繰り返しながら選択をして行く中で、引き換えに提示して来たものに間違えはなかったかに気付くことで、自分本来の価値や、それに伴った成功の意味が明らかになり、自分の名誉や尊厳を大切にした交渉と選択ができる様になります。
また、物質的な世界から離れて、内面的な力の強さや大きさ、エネルギー、スピリットなどに価値を置き、自尊心の高さこそが人生の成功と思える様になることで、相手との交渉に応じなくても、幸せと感じる人生を送ることができる様になるわけです。
これまで例に挙げてきた、大きな家やブランド品が悪いと言っているのではなく、それが自分の価値を示すものとした場合の、目に見える形のある物をどのように手に入れるかだけにエネルギーを注いだ生活は、自身の内面の価値が満たされないどころか、娼婦以上に、人間としての尊厳も魂も売り払ってしまう可能性が高いと言うことです。
